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ブロック工事の手抜き

当社の人間が車を購入しているホンダの担当から土曜日の夜に電話がありました。
その担当の方のお客様が自分の車庫に車を入れる際、ブロックを壊してしまったので、
修理をお願いできますか?とのことでした。
壊した人が言うにはひどく簡単に壊れてしまったそうです。
倒したブロック塀は隣の方と供用で、しかも隣の方の車に倒れ掛かってしまったそうです。

おいおい、一体どれだけの勢いでぶつけんたんだ?
と思いつつ、現場を見に行きました。

現場についてみてみると、あらら、結構粉々です。

ぶつけた車を見てみると、バンパーにちょっとキズがついている程度でした。

いい加減に造られたブロック塀のようです。
近くにあった鉄筋に手を伸ばすと、ブロックからズルっと抜けてしまいました。

ほとんどコンクリートブロックにモルタルが付着していませんでした。

おそらく夏場に組み立てられたブロック塀で、散水養生もせずに、施工性からか固練りのモルタルを詰めたのだと思います。
また、詰め方も甘く、隙間があちこちに見られました。

お住まいの方に誰が作ったのか聞いてみると、このあたり一体の造成を行なった建売業者だそうです。
ですが、造ったのは末端の業者、外構会社の職人です。
ですが、こんな仕事をした職人がいけないのでしょうか。
確かに施工した人の技術が未熟、もしくはプライドが無いということも考えられますが、職人もボランティアで仕事は出来ません。
当然、元請が業者にも値段も指定して造らせたと言う事も考えられます。

真相は分かりませんが、欠陥住宅が出来る図式から大きく離れる事は無いと思います。

私共のような工務店も、元請として仕事を協力業者に任せておりますので、他人事ではありません。
ですが当社では、職人の手間を叩くような事は致しません。
無論、無駄がある所では協議いたしますが、職人の手間を減らすと言う事は、即、給料を減らす事につながります。
きれいごとのようになってしまいますが、やはりお客様はもちろん、職人も含めて、皆良い仕事で喜ばれるようにしてゆきたいものだと、改めて痛感いたしました。

ちなみにこのブロックは4段詰まれて80センチの高さになっているのですが、
車庫ではない部分は、盛り土をして庭に成っており、このブロックがその土圧を支えておりました。
ちょっと大きな地震が来たら、ブロック塀が丸ごと壊れてしまうのではないかと心配になりました。