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水戸工務店をもっと知る

ベテランが語る大工の仕事

一本一本の木を、その性質や育ってきた環境に応じて加工し、組み合わせ、丈夫で長持ちする家をつくり上げる大工の技。『適材適所』という言葉がそこから生まれたように、まさに木の命を生かしきろうとする人間の素晴らしい叡智です。

水戸工務店では、「木が生きている家では人間も健康に生活できる」という信念のもと、敢えて合理化に走らず、伝統技術の継承と発展に力を注いでいます。

何もないところから家が仕上がるまでには、数多くの工程がありますが、私たちがふだんしていることの一部を、ベテラン大工の解説で、わかりやすくお伝えしたいと思います。

安秋夫

大工歴40年

中学を卒業してすぐから、親方(社長)のもとで大工仕事をみっちり仕込まれる。仕事の丁寧さでは右に出るものなし。親方曰く「舐めるような仕事をする男」。

鈴木秀雄

大工歴41年

細かい作業もお手のもので、しかも手際がよい。お愛想は言えないかわり、誠実でバランスのとれた仕事ぶりで人気の高い大工。

墨付け・刻み

墨付け墨付け

木材を加工する前に、切断箇所や削り仕上げなどの線を墨でつけておく作業のことです。この墨付けによって、木材がどこにどのような形で使われるかが決まります。木は家の材となってからも成長を続けているので、割れたり曲がったり、歪みを生じます。墨付けは、木を選別し、曲がりや歪みを考慮する力を持っていなければできない、重要な仕事です。

墨付けの仕方ヤスさん

墨付けに使用するのが「墨壺」「墨さし」「さしがね」です。墨壺は墨汁を入れる部分と、糸を巻いた部分が合わさった形をしています。墨を含んだ糸をぴんと張り、手ではじくと、まっすぐな線が描けるというわけです。

この時に、反りを見込んで墨を打ちます。糸をひねると中心点を変えることができるんです。まっすぐで素直な材ばかりではないですから、材木と会話しながら、ひとつひとつクセを見極めることが大切です。

ちなみに「スミレ」の花は「墨壺」と形が似ていることから名づけられたそうですよ!

刻み刻み

木と木を組み合わせるため、凸型や凹型に材料を刻んでいくことです。様々な刻み方があり、これを「継ぎ手」「仕口」と呼びます。組み合わさっている材料が何十年経ってもゆるまないようにするのが大工の腕の見せ所。木は歪んだりやせたりと徐々に形を変えていくので、そのことも頭に入れて刻みます。現在は工場でコンピュータと機械を使って行うプレカットがほとんどですが、木の癖を大工が自分の目で見極め手刻みした木材は、ひとつひとつがより強固に組み上げられ、しっかりと家を支えます。

「継ぎ手」とはヒデオさん

「継ぎ手」は木材の長さを増すために、同一方向に材を継ぎ足すことを言います。木が生えていた時に根っこに近かった方を元口、枝葉に近かった方を末口と言うのですが、2本の木を継ぐときには「元・末・元・末」となるように継ぎ、柱の場合には元口を下にします。つまり、木が生えていたときの順序に継ぐわけです。この方が自然で長持ちするんですね。

木が生えていたときと同じ順序に継ぐ

「仕口とはヒデオさん

「仕口」は、2つ以上の材を角度をもって接合することです。土台と柱、梁と桁など、各部材を組み上げる時に使います。継ぎ手も仕口も、外から見た時にはすっきりとシンプルでしかも隙間がなく、外からの圧力に抵抗できるよう工夫されています。先人の知恵は偉大ですね。

仕口の種類

木組・内部造作

木組木組

刻みを施した材料を、実際に組み上げていくのが木組です。日本の伝統建築の特徴のひとつに木組の美しさが挙げられますが、柱や梁をそのまま見せる「あらわし」という方法は、まさに大工の腕の見せどころなのです。

おすすめ
したい、
丸太を使った
家づくりヤスさん

工場でのプレカットが主流という時代になりましたが、丸太の刻みはやはり機械では無理なんです。でも丸太は角材よりも強いし、真っ直ぐよりもたわんでいる方が、使いようによっては上からの加重に強い家ができます。

下になる丸太の曲がりを生かして少しだけへずり、そこに上になる丸太を載せる。そういう技法は昔はよく使われていました。木の自然な曲線を取り入れた部屋はデザイン的にも美しいし強度も増すので、これからの家づくりにもお勧めしたいですね。

内部造作内部創作

構造体が組み上げられ、屋根ができ壁ができてからも、まだまだ大工の仕事は続きます。階段、天井、床の間、鴨居、敷居など、家の個性となる内部の造作が待っているのです。この細かい作業の仕上がり具合によって、家のグレードがぐんと変わるため決して気は抜けません。水戸工務店では「プロを驚かせる仕事をしろ」がモットーなのでなおさらです。

印象深い造作ヒデオさん

最近で印象深いのが床の間の造作。その家の床の間は床柱も丸太、そして落とし掛けも丸太だったんです。

丸太に丸太を差し込んで、ぴたっとくっつけるのってむずかしいんですよ。床の間に使う木は高価ですからね。うまく行くように計算はしているのですが、それでも緊張しました。きれいにできた時には嬉しかったですね。やはり苦労する分、喜びも大きいものです。

当たり前は、
難しい
ヒデオさん

柱と敷居は直角にする。これ、当たり前のことです。ところが差しがねできちんと測っていてもみんながみんな直角というわけにはいかない。木は生き物だから1mmほどの誤差と言うか、クセみたいなものがあって、それを取り除いてやらないと柱と敷居がぴたっと吸い付くようにはできないんです。

そういう微妙なクセを取る鋸は、ものすごく目が細かくて薄いもの。胴付き鋸(どうづきのこ)と言います。あんまり薄くてそのままではべらんべらんだから、支えるための背金がついています。へたくそが挽くとすぐに駄目になるので、若い頃にはなかなか使わせてもらえませんでした。すっきりと見える家というのは、そんな風に細部に手を抜いていない家だと思いますね。

最後に…

お話ししたのはほんの一部ですが、私たち大工の仕事場を少し感じていただけたでしょうか?これを機会に私たちの先人が培ってきた、自然と一体となった手の技に興味を持っていただけると、こんなに嬉しいことはありません。

これからも、大工という奥の深い仕事に精一杯励み、若い人たちに技術を伝えて行きたいと思います。

注文住宅もお任せ・水戸工務店のベテラン大工の仕事

大工歴40年以上を誇るベテラン大工がいる柏市にある水戸工務店では、熟練大工たちが大工の仕事の醍醐味や心意気を語っております。近年では珍しくなりましたが、中学を卒業して直ぐ親方の元に弟子入りした根っからの職人のお話をご覧いただけます。
この大工の話をお読みいただき、こんなスゴ腕の大工さんに家を建ててもらえるなら是非注文したいとお問い合わせいただくケースも少なくありません。水戸工務店に注文住宅のご依頼や、ご相談いただく際の参考にしていただけると幸いです。
こんな大工になってみたいと思われた方からのお問い合わせもお待ちしております。水戸工務店では木が生きた注文住宅を伝承するべく、伝統技術の継承と発展に力を入れております。ベテラン大工の技を引き継いでくれる若手の育成を積極的に行っております。