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いい家をつくるには

木を見る・木と出会う

森を訪ねて

水戸工務店では従業員や家族、そしてお客様をお誘いして、家の材として使っている木のふるさとの森を見に行きます。
そこは台風の通り道として知られる紀伊半島南部の山の中。
紀州・和歌山県、古くから“木の国”と呼ばれ、長い年月をかけて受け継がれた植林技術のもと、優れた木材を生み出している、山長商店の自社林です。

急峻な山肌に植林され、山職人たちの細やかな手入れにより50年以上の歳月をかけて成長する木々に、山の語り部と共に、出会いに行きます。
森の力に触れ、さわやかな感動に包まれる経験は、老若男女を問わず、忘れがたいものとして記憶に刻まれるようです。

 

木の命に触れる旅

私たちが木のふるさとへ行こうと思い立ったのは、大切に手をかけられて育った木に触れ、自らの“住まい”への理解と愛情を一層深めるためでした。
お客様に、ひとの命を守る家は、樹齢50年を超える木の命をいただいてできていることを、実感していただきたいという思いもありました。

言葉で百万回繰り返すよりも、木の育っている場所に足を運び、実際に見て、触れることが、どんなに伝わるものが大きいことか。私たちはこの地に足を運ぶたびに、そのことを思い知らされています。

 

守っていかなくてはならないもの

昔の棟梁は材を家のどこに使うかで悩みました。『山の北側で育ったものは北側に使え』と言われるように、木は育った環境などによって、それぞれクセを持っています。製材されたものを見てそのクセを見抜き、どういう組み合わせで、どう使うか。それこそ胃に穴があくほど考えたといいます。私たちはそこに、自然から木の命を頂く代わりに必ず生かしきるという、美しい思想が流れていると思うのです。

私たちも先人に倣い、できる限り木の命を生かす家をつくっていきたいと思います。そうすることで、守っていかなくてはならないもの、残さなくてはならないものが見えてくると思うのです。自然に対して謙虚な心を取り戻す旅。私たちはそんな気持ちでこの森を訪ねています。

 

日本の木を使って家をつくること

水戸工務店で造る家の構造材(柱・梁・土台)には、産地直送の国産材を使用しています。

強度があり、色艶に優れ、風土に適していることはもちろん、木を植え、育て、使い、また植える‥‥
未来の日本の山にとって、この営みを続けていくことが、とても大切だからです。

日本の木を使って家をつくるということは、日本の自然を守ることにもつながるのです。

 

【山長商店】
山長商店は「林産地と都市の循環型社会」を目指し、優れた国産材の山から現場まで一貫した生産供給体制の整備に努めています。この生産流通システムは2013年にグッドデザイン賞を受賞いたしました。
紀伊半島南部にある山長商店の山は、江戸末期より代々受け継がれた技術のもと、植林・育林が続けられている山です。
紀州材は成長するほど年輪が細く込んでくるので、強度や色艶に優れた良質な木材となり、構造材として大変優れています。