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感動したお話 「森繁さんの涙」

少し前になりますが、事務所より徒歩2分くらいの近い場所に、自分の入る墓地を買い求めた青光苑より「青光苑だより」が送られてきました。
その中にあった文章の一節をお伝えしたいと思いまして、久し振りにブログを書いてみました。

作曲家の盲目偽装によるゴーストライター事件が話題となりましたが、
盲目偽装ではなく、森繁久彌さんが目の障害を見落として舞台で泣いた話があります。

この話題は以前読売新聞編集手帳 (2009年11月11日) に紹介され、
人の知る所になった話のようです。

森繁久彌さんが若い時「屋根の上のヴァイオリン弾き」九州公演で観客に対して大失態を演じてしまい、
舞台で泣いた事があったそうです。
それは次のような話です。

芝居が始まったのに最前列の少女が居眠りをしていました。
森繁さん始め俳優たちは頭に来て「面白くない。起こせ、起こせ」とばかりに、
床を音高く踏みつけて床を鳴らしました。
しかし少女は起きませんでした。

アンコールの幕が上がって少女は初めて顔を上げましたが、両目は閉じたままでした。
居眠りに見えましたが、実は盲目の人が全神経を耳に集めて
芝居を心の目に写そうと必死だった事がわかりました。

心無い仕打ちを森繁さんは恥ずかしく思い、舞台で泣いたそうです。

この森繁さんの涙の話は、「こうあれ」と少女を裁いていた自らの誤りを詫びたものです。
人は人に対して自らの正しさの物差しで裁き、罰すると言うことがよくあります。
森繁さんの涙は他人事ではありません。
その過ちを犯した時に、どのような態度を取れるか考えさせられました。

私も仕事を教える時に若い者の気持ちを考えずに怒りにまかせて怒鳴りつけたりする事があります。
何事も自分のレベルで測って押し付けるのは良くないなと反省しました。
年を取って来ると体が言うこと聞かない分、口数が多くなって良くないなぁ~。