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日本の伝統文化を考える 「畳の部屋で集中力アップ」の記事を見て イグサの香りにリラックス効果

ここ近年新築の住まいで畳の部屋の無い家や畳を使用する場所が少なくなっている。
私が子供の頃育った家は全部畳でした。
台所は土間にあり、ご飯はカマドでマキを燃やして作りました。
食事の場所は、杉の床板張りで雑巾で良く磨き込んであり赤黒く光っていました。

昔の子供は皆雑巾を使って掃除させられたものでした。
夏になると畳を上げて土用の虫干しをする事が毎年夏休みの仕事としてやらされていた事を思い出します。

先日東京新聞に畳の部屋で集中力アップの記事を見つけました。
畳などに使われるイグサには、子供の集中力を持続させる効果が認められる事が北九州市立大の森田洋准教授 (生物資源工学) の研究で分かった。
香りや色、感触が適度に緊張をほぐして集中力を長続きさせるそうです。
森田准教授は福岡市内の学習塾に畳敷きの特別教室をつくって、調査を実施。
中学一年生233人、小学校五年生90人の計323人を対象に、畳教室と普通の教室で二けたから四けたの足し算や引き算を30分間に何問解けるか調べた。

その結果、普通の教室で解いた問題の数 (解答数) は、平均約129問だったのに対し、畳教室では平均約145問で個人の伸び率の平均が14.4%。特に小五の解答数の伸びは24.3%で中一の12.4%の倍だった。
正解率は普通教室88.5%、畳教室90.4%でほぼ一緒だったが、集中力には有意な差が表れたといい、森田准教授は「低学年ほど集中力の持続効果が望める。学校や塾、子ども部屋に畳を導入することをお勧めしたい」と話している。

森田准教授の分析では、イグサにはバニラに含まれるバニリンや、樹木と同じフィトンチッドなどの香り成分が含まれ、リラックス効果がある。畳に加工した際の黄緑色も安心感を与えているようだという。

これから先の日本の家造りを考えた時に、一昔前に言われた3Kがある。
キケン、キツイ、キタナイ等で、今の若い者は楽な方へ走り勝ちであるが、それ以前に日本の伝統文化としての家造りの中で仕事が減っている畳、左官、タイル、建具職のあとを継ぐ者がいなくなった時、日本の文化はどうなるのだろう。
工務店や建設会社が皆で少なくなりつつある仕事を少しでも増やして行けるように、お施主様に提案して行く事は出来ないのだろうか。
何でも早く簡単に出来る事が良いとは限らない。
やはりこれが職人の仕事だと言われるような家を造る為に協力業者の力が必要なのです。