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東濃桧 神宮備林の森ツアーにて。 その3

第62回目の伊勢神宮の御遷宮に使われる御神木の切り株を見学のあと、珍しいものを見に行きました。

 

 

 

 

 

それは、ヒノキとサワラの合体木です。
合体木は違う樹種の木が互いにくっついて出来たもので、合体木自体は全国ではいくつか例がありますが、こちらの合体木は樹齢も560年 (推定) と高く、珍しいものとなっております。

合体木には、それにまつわる話がいくつかあるそうです。
その中のひとつとして、木曽義仲の妻 (山吹) と子 (義王丸) の話があります。義仲が京の都に攻め入り、頼朝の軍に負けたとき、妻と子の命を守るため人知れず木曽へ向かわせた。 しかし、一山越えれば木曽という出ノ小路で疲れ果て息絶えた。それを見つけた村人が哀れな様子に心をうたれ、墓の代わりにサワラの苗木を植えたそうです。 それが、大きくなると、不思議なことにサワラの木の半分がヒノキに変わり、仲良く1本の木として育った。 これを見た村人は、母子二人の魂がこの木に乗り移ったのだと手を合わせたということです。 (東濃森林管理署HPより抜粋。)

この合体木、実物を見るとかなりの大きさで、周囲を圧倒する見事なものです。

写真をクリックすると大きく画像が出てきますが、大体人の頭より少し上のところで、皮目が変わっているのがお分かりでしょうか。
この部分を境に下はサワラ、上はヒノキとなっています。

サワラとヒノキは近縁種で混ざりやすい、ということもあるのでしょうが、
同じ場所で育っても、樹種によりコケのつき方も違いますので、非常に面白いです。

合体木を後にした一行は、さらに珍しいもの、この山の主とも言える、2代目大ヒノキを見に行きました。
通常天候の具合や、時間的な制約、また、東濃森林管理署の許可などのため、ここを見学できることは少ないのですが、ちょうど森林管理署の所長が同行していただけていたため、許可が出て急遽、向かうことになりました。

2代目、というからには当然初代がありました。
しかしながら初代は、昭和9年9月の室戸台風によって、地上から12mの高さで折れ、昭和29年に学術参考用として伐採されてしまった、とのことでした。

初代大ヒノキが無くなったあと当時の付知営林署では、初代の大ヒノキに代わる二代目を探すこととなったそうですが、初代のような尊厳さと風格を備えたものはたやすく見つかるものではなく、山に関わる人々の話を頼りに昭和56年にようやく大木が発見されたそうです。
推定樹齢1千年という、りっぱな大ヒノキです。

大ヒノキの前で記念撮影です。
きっと良い思い出になっていただけたと思います。

この後は当社で材木の仕入れを行なう東濃地域木材流通センターの方の市場と
プレカット工場を見学に行きました。

後1回、続きます。