施工例

公園に開く家 新築

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少ないエネルギーで一年中快適に過ごせる
超高性能な店舗併用住宅/UA値0.28/C値0.1
トリプルガラス樹脂サッシ/外断熱&付加断熱
構造計算は、許容応力度による耐震等級3
熱交換換気+エアコンによるオリジナル全館空調システム

緑の風景と、人が自然に集うカフェ空間のある住まい

退職を間近に控えたご夫婦が選んだのは、住み慣れたこの地で、これからの時間を二人で穏やかに育む家造りでした。
子育ての時期から三世代同居まで、長くこの地で暮らしてきたご夫婦の傍らには、いつも目の前にある公園の風景がありました。

グランドゴルフに集まるシニアの方々、
小さなお子さんを遊ばせるお母さん、
近隣幼稚園の園児たち、
放課後の小学生に、
犬の散歩の通りすがりの人――。
一日の中で、さまざまな世代が行き交う公園を眺める時間が、ご夫婦は大好きです。
人と繋がり、関わることが好きなご夫婦。
間取りの検討は、
「将来、自宅カフェをオープンして、地域のどの世代の方も気軽に立ち寄れる場所にしたい」
という奥様の具体的なご希望からスタートしました。

介護の経験から導き出した、お互いに優しい「平屋のような暮らし」

かつて自宅介護を経験された奥様には、「介護する人にも、される人にも優しい家にしたい」という確かな想いがありました。
そして、いずれどちらかの一人暮らしになったとしても、自然と人が集まり、寂しく無く暮らせる終の棲家が理想でした。

そこで、1階だけで日々の暮らしのすべてが完結する間取りとしました。
主寝室、お風呂や洗面などの水回り、そして室内干し空間をすべて1階に集約しています。
敷地が奥に向かってすぼまっている「三角形の土地」という難しさもありましたが、変形地だからこその工夫を凝らすことで、無駄のない動線が仕上がりました。

「北側の公園」という立地を、高性能な設計で活かす

明るい家を支えるのは「南向き」というセオリーが一般的かもしれません。
しかし、今回のプランにおいて最大の魅力となったのは、まさに公園に面した「北側の景色」でした。

実は、北側に開けた土地は、年間を通じ穏やかな安定した光を取り込めるという利点があります。
南側のようにギラギラとした直射日光が入らないため、窓からの景色が目に優しく、特に夏場は清涼感のある心地よい空間を演出してくれます。
「北側に大きな窓を作ると、冬に寒いのでは?」という懸念もありますが、気密・断熱を高めた高性能住宅であればその心配ありません。
窓辺特有のひんやりとした寒さ(輻冷射)は起きず、北面の視界を思い切り広げることが可能になります。

一方で、昨今の日本の気候は、昔に比べて暑い時期が前後にぐっと延びています。
5月の真夏日や10月の厳しい残暑が珍しくなくなりましたが、この時期の太陽は、真夏に比べて「太陽の位置(高度)が低い」という特徴があります。
「深い軒や庇を出して夏の強い日差しを遮る」という基本が通用しません。
太陽の位置が低い春先や秋口は、せっかくの庇の下を潜り抜けるようにして、強い日差しが部屋の奥深くまで差し込んできてしまいます。
しかも断熱性能が高い家ほど、一度入ってしまった熱(自然エネルギー)を室内に閉じ込めてしまうため、「室内の気温が上がりすぎて暑い(オーバーヒート)」という現象が起きてしまういます。

南側の大開口は、低い太陽からの日射が入りにくい間取りの工夫や、日よけの方法をはじめからプランする必要があります。
さらに、ただエアコンをガンガン運転して冷風の不快感を伴うのではなく、省エネで効率よく、心地よい室温を保てる「高性能な換気空調計画」がセットで欠かせません。

ただ断熱材を厚くするだけでなく、変わりゆく気候に合わせて住まい全体の熱と空調をコントロールすること。
それがあって初めて、南側も北側も、本当に心地よい空間が成り立ちます。
今回の敷地は、そうした緻密な設計を背景に、北側の美しい景色を最大限に活かした年中省エネで過ごせるカフェ空間となりました。

普段使いと、家族を迎える場所。それぞれの心地よさを持つ2階

普段はご夫婦二人、1階を中心に暮らしますが、2階には暮らしに少しのゆとりをもたらす空間を設けました。
2階は主に空調換気機械室と客間で構成されていますが、完成してみると、1階とはまた少し違った居心地の良さが生まれました。

南側に視界が開け、青空が見えるミニリビングは、一人で静かに過ごしたい時の心地よい居場所に。
続く和室は、普段はオープンな続き間ですが、襖戸を閉めれば宿泊客の寝室として使っていただけます。

自然と人が集まる、これからの住まいの風景

お引渡しをして初めて迎えた年末年始。
新しい我が家には、独立されたお子様たちや、お孫さんたちが帰省されました。
親子孫の三世代が賑やかに過ごした数日間、この家の心地よさを実感された皆さんが、度々訪れてくれそうな嬉しい予感がしています。

カフェのオープンはまだ少し先になりますが、この空間の心地よさは、将来、自然と地域の人々が集まってくるという未来が想像できます。
二人の老後も、一人の老後も、自然に人と関わる時間が生まれ、いつまでも安心して暮らせる家。
ご夫婦の優しい願いが、そのまま形になったような住まいが完成しました