TOP > 木を見る・木と出会う
新緑が美しい季節、水戸工務店では従業員や家族、そしてお客様をお誘いして家の材として使っている木の、ふるさとの森を見に行きます。 |
私たちが木のふるさとへ行こうと思い立ったのは、大切に手をかけられて育った木に触れて、”住まい”というものへの理解を一層深めるためでした。お客様に、ひとの命を守る家は、樹齢何十年という木の命をいただいてできていることを、実感していただきたいという思いもありました。言葉で百万回繰り返すよりも、木の育っている場所に足を運んで、実際に見て、触れることが、どんなに伝わるものが大きいことか。私たちはこの地に足を運ぶたびに、そのことを思い知らされています。
昔の棟梁は材を家のどこに使うかで悩みました。『山の北側で育ったものは北側に使え』と言われるように、木は育った環境などによって、それぞれクセを持っています。製材されたものを見てそのクセを見抜き、どういう組み合わせで、どう使うか。それこそ胃に穴があくほど考えたといいます。私たちはそこに、自然から木の命を頂く代わりに必ず生かしきるという、美しい思想が流れていると思うのです。
私たちも先人に倣い、できる限り木の命を生かす家をつくっていきたいと思います。そうすることで、守っていかなくてはならないもの、残さなくてはならないものが見えてくると思うのです。自然に対して謙虚な心を取り戻す旅。私たちはそんな気持ちで毎年この森を訪ねています。