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梁算段とは? 匠の技である!

地鎮祭の時に心配していた天気であるが、今日は穏やかで、最高の上棟日和であった。
「やっぱり俺って晴れ男だなぁ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伝統の木造軸組み工法の技術を後世に残して行きたい!

当社では、大工修行中の「22歳・男」「21歳・女」「20歳・男」と、3名おりますが、その中の1人は、高校卒業と同時に当社に大工見習いとして入社した、丸5年になる吉田智哉 (通称:トモ) に課題を与えました。

本日・1月27日に上棟しました、守谷市のM様邸の丸太梁を化粧で見せる「当社オリリジナルの隅梁工法と丸太組の梁算段」そして、「墨付け加工」の仕事を1人で責任を持たせてやらせてみました。
もちろん私も目を届かせていましたが (トモも心配ですが、材料も・・・) 、上棟時に無事に、見事に!組み合わせて出来上がりました。

今日のお祝いに来ていただいたお施主様、お二方のご両親様も基礎や材木などを見られて、「本当に良いね~。」と感激して喜んで帰られました。

↑建て方後、お茶で「カンパ~イ!」

ちなみに、題名の「梁算段」とは、「梁を三段に重ねる」という意味ではありません・・・。
梁は、まっすぐに加工されている材とは違いますので、どのように梁組みをしたならば意匠的にキレイに仕上げるか、また、それぞれの材が持つクセや曲がり、反りなどを読み取り、大きく欠き取らず、梁の力が十分に発揮できるように加工することを「梁を算段する」というのだ。
情けないことに、梁算段という言葉すら知らない大工が多い。昔ながらの言葉ぐらい知っておいて欲しいものだ。

大工で最高の梁算段は、テッカリ算段といって、丸太の曲線を利用し、材を出来るだけ欠き取らず、梁組みを重ねて造ることである。

「コレが俺の技術だ!!」といえるような、匠の技である。

残念なことに、今では松の梁も曲がった材が少なくなってしまった・・・。
欠き取らなければ梁組み加工が出来ないまっすぐなゴロンボ丸太が市場に多くなっている。
大工の技術の低下で曲がった梁の施工が出来ないための需要低下が原因である。

また私のグチになってしまったが、これからでも遅くは無い。
技術のある職人を育て、木組みの出来る大工を増やす努力をしようと思う。

↑一抱え以上もある松丸太に、太鼓梁の隅梁を架けている。
丸太が太いので、太鼓梁が小さく見えてしまうなぁ。

↑幣串 (へいぐし) を立てて、祝詞奏上 (のりとそうじょう)