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オーストリアとスイスのパッシブハウスの研修 3日目 その2

スキーリゾート地、オーバータウエルンを後にして、西へ約180キロ、エーブスにあるサッシメーカー、Freisinger社に向かいます。

Freisinger社では、案内通訳として、インスブルック大学に留学中の渡辺さんのお世話になりました。

こちらでは、木製の3重ガラスの超高性能サッシを製作していて、製作過程も見せて頂きました。

木はもみの木を使用していて、木目の詰まった良材を選定していました。
注文によってつくるため、1棟に使うサッシの全てを連続で製作し、色のばらつきなどを抑えていた。
サッシの耐久性向上のため、サッシ外側表面にアルミをかぶせるアルミクラッドにしていました。
ガラス部分はトリプルガラスにダブルLow-Eコーティングをし、2つの空気層にはアルゴンガスを充填、空気層 (ガス層) の厚みは各16ミリとかなりの厚みで、U値 (熱貫流率) が0.7という、超高断熱サッシになっていました。
U値は少なければ少ないほど性能が高くなるのですが、現在日本のサッシが最高性能のもので、U値=1.23ですので、上には上があるものです。

材木の乾燥から、削り、溝を入れ、接合し、塗装して、気密材や金物を取り付け、ガラスを組み込む、といった工程を流れ作業で行っていました。
全て人間の手によって行われていて、まさに手作りサッシでした。

気になる価格は平米あたり450ユーロ、日本でよく使う高さ2m、巾1.7mくらいのサッシで、20万円強、輸送量や、中間マージンを入れると、恐ろしい値段になりそう。
この会社では、技術を日本に売ることも考えていて、実現すれば日本の木で超高性能サッシを作れることになる。
工場自体はあまり大きくなく、設備投資も大きく必要ではなさそう。
日本人の技術なら問題なくつくれると思うのですが、日本の木の産地ででもつくってくれないかな?
需要があれば、きっと日本でも取り組むのでしょうが、日本はそこの意識が薄いんですよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に観光スポット、といっても通り過ぎただけですが。

ハプスブルク家の栄華を今に残す有名な黄金の屋根。1500年頃にマクシミリアン1世が催物を見るための桟敷としてバルコニーを完成させた。内部にはマクシミリアン博物館がある。
~JTBの観光情報より転載~

このたびでは観光の時間はまったく取れません。