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地球環境戦略研究機関 (IGES) の建物を見てきました。

先日、神奈川県三浦市にある湘南国際村の地球環境戦略研究機関 (IGES) の建物を見てきました。
この建物は相模湾を見下ろす緑豊かな眺望の良い所に建っています。
建築面積4,404㎡、延床面積7,408㎡の、西側に弧を描くように張り出した見事な建物でした。

地域の特性を生かして化石燃料を使わずに自然の力を上手に利用し、
太陽の熱を取り入れたり遮ったりすることで冬暖かく夏涼しく、
少しでも快適に過ごせるように工夫をこらした造りになっていました。

しかし逆に、この大きな建物を造るためにどれだけのエネルギーを使ったのか、
この地域の緑をどれだけなくしてしまったのかも考えさせられました。

訪れた8月27日は天気が良く暑かったのですが、
この地球環境戦略研究機関の建物の中は一切冷房を使用していませんでした。
それでも気温は外よりも2~3℃は低くて余り暑く感じませんでしたが、
やはり湿気は感じられました。
西側から吹いてくる海風を1階の床下から取り込み、
東側の吹き抜けの窓から空気を抜くようにしていました。

その他、この建物が取り入れている自然エネルギーの利用には次の様なものがありました。
1. 太陽発電パネル
2. 部屋の天井に傾斜をつけて自然光を反射させ、室内光に利用
3. 太陽熱を遮断して光だけを取り込むトップライト
4. 屋上緑化による屋根断熱 (実際は草ボウボウな状態でした。)
5. 屋根の熱を床面に回収し、冬の暖房に利用
6. 太陽熱から得た温水を給湯や空調に利用
7. ライトシェルフと遮光ルーバーで直射日光を効果的に遮る
8. 風力発電 (ちなみにこの日は廻ってませんでした。)
9. 氷蓄熱システム・夜間電力を氷として蓄熱して昼間の空調エネルギーに利用
10. 敷地に降った雨を飲料用として利用する他、自然生態のビオトープとして利用

また確かに、色々な自然エネルギーの使い方を考えてありましたが、
果たして私達が造る家に利用する時どのようにコストに反映してくるか?
考える必要がでてきますし、どれを利用するかを選ぶ悩みの種が増えてきます。
しかし、地球環境を考えた時一つでも二つでも取り入れることを進めて行きたいと思います。