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大工育成塾の卒業制作「杉組」の家

当社では、国が支援している大工を育成する組織「大工育成塾」から、塾生を預かり、木組みが出来る大工を育成しています。

 

 

 

 

 

当社で預かっている塾生は第2期生に当たるもので、その2期生が修行を始めて3年目となり、卒業制作を造ることになりました。
つくばエクスプレス「TX」のみらい平駅のすぐそばで木組みの家を東組、西組に別れて、2件建てています。

水戸工務店ではこの大工育成塾卒業制作の手伝いをする事になり、看板の設置、敷地の舗装、敷地囲いから、きざみ場の作成をして、卒業制作の木組みの家のコンクリート基礎の作成まで行なわせて頂きました。

塾生たち指導棟梁のもと、2週間泊り込みで材木を墨付けをして、手道具のみで刻み、

つい先日に建て方作業に入りました。
塾生も遠くからは、長崎など、九州からも来ており、こちらではあまり聞けない福岡弁等もきけました。

材料は八溝山系の杉をメインに (杉組ですしね) 、一部桧が使われていました。
色目などは綺麗な材でしたが、如何せん、年輪の詰まり方が少々甘いですね。
普段極上材ばかり見ている私は少々物足りなさを感じました。

杉の目のつまりが甘いので、材が柔らかく、掛けやで叩いても入りが悪かったので、塾生たちもだいぶ苦労していました。
まぁ、刻みもあまりよく出来てはいなかったのでしょうが。

しかし、今はあまり使われなくなった通し抜きや金輪継ぎなど、伝統の仕口で行なっているので、面白いですね。
最近ではこの様な技術があまり必要では無くなったとも言われますが、
こういった作業が出来るからこそ、応用が利き、簡単な収め方でも、より良く収められるのです。

ここで使われていた材はすべて角材と呼ばれる、四角に製材されたものでした。
水戸工務店では普段から、丸太や太鼓梁等、曲がった材を良く使いますが、
さすがに大工をはじめて3年程度の塾生では、まだまだ、丸太の墨付けは出来ないのでしょうね。
大工の修行は3年目ではまだまだ始まったばかり、職人の技術は奥が深いのです。

柱は通し抜きで組み付け、柱への平角の差込は、「楔締めほぞ継ぎ」でつなぎ、梁と梁の直角方向はは「渡りあごと大栓」、梁の延長方向には「金輪継ぎ」で組んでいました。