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岡山研修、注目のCLT工場の見学へ

昨日より岡山にて、引き続き研修です。
岡山市内からバスに乗って1時間半ほど走り、真庭市のほうへ。
真庭市はバイオマス発電を街ぐるみで行っているところです。
豊富な森林資源を生かした木材産業が盛んなので、その廃材を使うバイオマスボイラーでタービンを回して発電しているようですね。
真庭市内に入るといたるところにそのような看板がありました。

そして、集成材メーカー大手の銘健工業さんへ。
当社ではあまり集成材は使用しないので、それほど興味があるわけでは無いのですが、ここに来た理由はただ一つ。
CLT (クロス ラミネーテッド ティンバー) の製造工場を見るためです。
CLTは、もともとヨーロッパで作られたもので、日本では直行集成材、とも呼ばれます。
実は、2010年にオーストリアに行ったときに現地で工場を見学しています。
その時、オーストリアのメーカーの方は、CLTの加工機を日本に輸出したい、と言っておりました。
そして日本で初めて、この銘健工業さんで日本のCLTが作れるようになったのですね。

これが、CLTです。
2.7mx6mサイズの板で、厚みは150mmほどありました。
こちらの工場では、厚みは250mm程度まで作れるようです。

このCLTを利用して、木造では出来なかった建物が出来るようになる可能性を持っています。
ロンドンではこれをつかった9階建てのビルもあるのですが、日本では地震もありますので、そう簡単ではないですね。

ただ、厚い素材が作れる、ということは、耐震はもちろん、耐火的にも性能が向上する、ということです。
コンクリートや鉄に比べて、環境負荷の少ない木材で、今まで作れなかったものを創るようなるのであれば、良い事だと思います。

残念ながら一概にCLT万歳、とは言えない問題がいくつかあります。
コンクリートに代わる素材として利用したいようですが、現在はコンクリートのほうが安く上がるそうです。
現在はCLTの建築物には補助金などが付くそうですが、それでようやくコンクリートの建物と、同等程度、とのことでした。
この問題をクリアするには、もっとたくさん利用し、工場をオートメーション化する必要があると思いました。
また、材料のほとんどがヨーロッパからの輸入のようですが、是非国産材で進めてもらいたいものです。

また、メーカーの方は、工期が短くなる、施工手間が少なくなる、と何度かおっしゃっていましたが、職人を育てている工務店としては、単純に現場で働く人を減らす方向性には素直に賛同出来ません。
住宅だけでなく、ものづくりに携わる技術者が居なくなれば、文化も守れなくなってしまいますから、、、

見学の最後に実際の建築物に使われたCLTを見せて頂きました。
市役所にあるバス停です。

私としては、その横にある、美作桧で作られた通路のほうに目が行ってしまいましたが(笑)
いずれにしましても、木、という素材の可能性を広げるCLTは今後も注目していきたいと思います。
使う側として、いろいろ工夫できるようになると楽しくなりそうです。

その後、再び岡山市内に向けて、出発、途中ちょっと寄り道して、旧閑谷学校を見てきました。

1670年創建の世界最古の学校で、孔子をまつり、儒学を教えられたそうです。
立派な入母屋の講堂は、国宝です。
残念ながら、新幹線の時間が迫っていたため、駆け足での見学となりましたが、またゆっくりと言ってみたいと思います。

帰りの電車ではお楽しみの駅弁、岡山名物、ままかりとサワラ、のお寿司を頂きました。

いろいろと刺激を受けた研修になりました。
お世話になった皆様、ありがとうございました!