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木造応急仮設住宅講習会を行いました。

2月13日に木造応急仮設住宅の講習会を行いました。
これは東日本大震災の時に作られた木造の応急仮設住宅を作るための講習会です。
私が副会長を務めている、JBN連携団体のちば木造建築ネットワークと、
労働組合の千葉土建が中心となって開催されました。

今までの応急仮設住宅はそのほとんどがプレハブのものでした。
古くは木造で建てた記録もあるのですが、いつしかプレハブに変わっていきました。
東日本大震災でも同様です。

なぜ仮設住宅がプレハブなのか?
これは緊急時にたくさんの仮設住宅を短期間作ることができるためです。

また、応急仮設住宅を作るためには自治体単位などで協定を結ばなくてはなりません。
プレハブ協会はその協定を締結しているので、自動的に発注されるという仕組みです。
もちろん協定が出来ている理由は政治力、資金力があるのですが、、、

仮設住宅のメリットは、先にも触れましたが、唯一、工期が早い、ということだけです。
ですが、プレハブの仮設住宅は大きな問題が2つあるのです。

その問題とは、一つは住み心地が悪い、ということ。
もともと住み心地など考慮しないものですから、当然と言えば当然なのですが、今回中心の被災地となった、
福島県は地域的に言えば東北地域です。
なのに、そのことを考慮しないプレハブは断熱性能は低く、隙間風、結露は日常茶飯事、
施工状態も悪く、雨漏りなどが多数報告されています。
これに何年も住む、とは本当に気の毒な話です。

二つ目の問題点は、大手プレハブメーカーのみが儲かる、という図式でしょう。
災害が起きた地域の労働力を使用せず、材料、施工に携わる人共に被災地以外から持ってきます。
つまり、地域のお金を持って行ってしまうのです。
地域の人間を使わないので地元にお金も落ちません、せいぜい宿泊費や飲食代程度でしょう。

そういった問題点を少しでも解消するために木造仮設住宅も作られるようになりました。
当社でも一昨年の二月に大工全員と私と前社長で福島県いわき市に10日ほどお手伝いに行きました。
断熱もしっかりして、隙間風、雨漏りなど、当然ありません。
住まわれた方の感想もあたたかで、木のぬくもりがあって気持ち良い、と多くの方から評価されています。

ただし、応急仮設住宅はどこでも出来るものでは無く、県単位での災害協定を結ばなくてはなりません。
現在全国で15の都道府県で災害協定が結ばれており、千葉県も今年度中に締結する予定です。
起きては欲しくないものですが、有事の際は速やかに行動できるように準備を進めていく、その準備が大事なのだと思います。
その取り組みは注目されていて、NHKのニュースでも報道されました。
短い期間かもしれませんが、ご興味のある方はリンクを見ていただければと思います。