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極上国産材のふるさと 神宮備林の森に行って来ました。


20年に一度行なわれる伊勢神宮の御遷宮のためにある神宮備林の中に入り、岐阜県東濃地域の山を守り育てている、岐阜県森林管理署の職員の方々に案内といろいろなご説明をしていただきました。

 

 

 

 

 

岐阜県は民有林では全国一の桧の蓄積量をほこり、約三千万立米にも達しており、生産量も年間25万立米で全国一位とのこと。
東濃桧の優れている点は特に耐久性が高く、狂いが小さく、また年輪巾も均一で、心材はピンクで艶があり木目も美しく桧独特の芳香とても良いという点です。
今、日本の材木は外材と比べても値段も高くないので、日本の山を守り地域の活性化をすると共にCO2の削減に貢献するためにも、ぜひ国産材を使って欲しいと仰られていました。

木は1立米生長すると二酸化炭素を1000kg吸収して、727kgの酸素を放出すると言われています。
山を守り育てれば、目に見える自然と言う財産と、目に見えない環境も改善していると言う事なのです。

若葉の茂る緑一杯の曲がりくねった山道を登り、立ち入り禁止のゲートを何箇所も開けていただきながら山の奥まで連れて行ってくださいました。
普段、人があまり入れないその場所は、新緑の季節と言う事もあいまって、何時までも心に残る非常に美しい光景でした。
ご一緒したお施主様も感激して、本当に来て良かったと仰っておられました。

ところで、20年に一度行なわれる御遷宮 (伊勢神宮の建て替え工事です) は、材木の無駄遣いではないかと思われる方もおられると思いますが、基礎も造らず建築する、簡単に言えば掘っ立て式であのようなすばらしいお宮を造る技術は世界に例のない、真の匠の技と言えるものだと思います。

20年に一度、御遷宮を行う事によって、1300年にわたって行なわれてきた伝統技術の継承が行なわれてゆきます。
今年40歳の人が20年後には60歳になってしまいますが、実際の場で伝統の技術の受け渡しが行われると言う事を考えれば、良く考えれれた周期なのではないでしょうか?

ちなみに御遷宮に使われる桧材は約一万本だそうです。
これが無駄にならないように実によく考えられています。
建て替え後の解体された建築材は、神宮の鳥居や宇治橋などに再利用され、さらにその後も桑名の七里の渡し・関の追分の鳥居、地元の神社の用材などに活用され何十年もリサイクルが続けられます。
その他の古材もすべて神宮の別宮・摂社・末社などの修理用に利用されており、ひとつも無駄にすることはありません。リサイクルを続けていくためにも二十年サイクルがちょうどいいということなのです。

神宮備林を後にし、この地域の優良材が集まる東濃地域木材流通センターに向かいました。
水戸工務店でも開設当初より直接買い付けをしている所です。
この木材センターには桧の太い柱、平角のほかにも、テーブルやカウンターになるような無垢の一枚板やさまざまな材料が一堂に集まっています。
お連れしたお施主様も材木が所狭しと並んでいるのを見て、素晴らしいと声を上げておられました。

ここで木材センターの金子理事長様より開設12周年節目として、産地直送の木材を使う有力工務店として、当社に表彰状を贈呈したいお話がありました。

感謝状、と書かれている部分も柾目材で造られた総桧造りの額を頂戴いたしました。

桧の板に鮮やかに手書きでかかれた物で、一目見て、これは大変なものだと感じるほど、素晴らしい出来でした。
木に直接書くというのは1字間違えただけでも削り直さなければなりません。
この感謝状を書いていただいた先生の名前は存じ上げませんが、有難う御座いました。

また、東濃地域木材流通センターの皆様に感謝いたします。
これからも宜しくお願いいたします。

(有)水戸工務店 小林良三