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江 亘くんの大工修行年季明けの会を行いました。

こんにちは、水戸工務店の社長の小林 良三(よしみ)です。
現在は息子に社長を任せ引退という形をとりましたが、大工育成のため、棟梁として顔を出しております。

 

棟梁とは、昔から家づくりの現場における最高責任者です。

そして、若い大工さんを棟梁と呼べる人物に育て上げてゆくのが私の目標です。

 

さて、2016年12月20日 ハート柏迎賓館(旧玉姫殿)において、社員大工である入江 亘の大工見習修了式を行いました。

 

2010年4月に専門学校を卒業して、有限会社 水戸工務店に大工見習いとして入社、以来6年8か月の月日が過ぎ、

ようやく木造軸組工法の住まいを一人で造る事が出来ると認められるまでに成長してくれました。

入江 亘くんのご両親の他、当社の社員と協力業者の皆さま、約45名を見届け人として修了証授与式を行いました。

 

 

6年8か月が長いか短いかは本人しか分からないと思いますが、大工として一人前になるためにはある程度の年月は必要です。

もっと早くできるようになる者もいるでしょう、もっと時間のかかる者もいるはずです。

時間の長短ではなく、覚えたか、出来るようになったか、なのです。

 

出来るようになると言う事は、体で覚える匠の技術と言われるものです。

どんなに頭が良くて覚えたからと言っても技術は身についてはおりません。

数学や国語を教室で数十人単位で一度に教える事が出来ても、職人は違います。

 

その人その人の能力もありますが、大事な事は飽きも凝りもせずに、毎日続けて行って体に覚えさせる事なのです。

今の日本で木造軸組工法の家造りをしたいと大工さんの道に入って修業をする若者は年に1000人もいないのではないでしょうか。

 

昨今の家造りでは早く簡単に、工場から運ばれてきた材料をビスで組み立てるだけで、完成してしまう家も増えてきました。

ノミも鉋も差し金も使えないような大工さんが家造りをするようになりました。

でも、新築工事だけならそのような大工さんでも困らないかもしれません。

 

ただ、新築の着工棟数が減り続ける現在、残す価値のある住まいのリフォーム、といった仕事が増えてきています。

 

構造から直していくリフォームでは、壊してみるとなんだこれは!といった現場も日常茶飯事です。

そういったイレギュラーに対応するためにもノミや鉋、差し金を覚える必要があるのです。

 

私は大工さんが棟梁になれるように、と冒頭に話しました。

棟梁は家づくりのすべてを理解していないといけません。

そのために、大工修行のスタートは片付けや掃除から。

現場の整理整頓を行えるようになって初めて、鉋、ノミ、鋸、などの手道具を使った仕事を覚えていきます。

今は機械工具の使い方も覚えなくてはなりませんが、、、
何年もかかって、墨付けや刻みなど、大工工事の神髄を学んでいきます。

そこまで来て初めて様々なことに応用が利く一人前の大工となってゆくのです。

 

そして、若い大工さんには作ることの楽しさ、長く喜ばれることの誇りをもって仕事を続けていけるよう努力します。

これからも日本の伝統工法である木造軸組工法を残す為に、一人でも多く、若い大工さんを育てて行きたいと思います。

 

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