近畿大学・岩前 篤教授の講演会に参加してきました。
2017 / 06 / 03 水戸工務店ブログ
目次
代表の小林 弘典です。
先日、私が所属する千葉県の地域工務店の会、ちば木造建築ネットワークの第5回総会がありました。
ちば木造建築ネットワークは、地域工務店が集まり、勉強はもちろん相互での協力しての活動等、単体ではできないことを行う目的で設立されました。
私も設立当時から副会長を拝命し、工務店のレベルアップにつながる活動を続けています。
年に一度行われる総会なのですが、重要なのは総会自体よりも(笑)、基調講演などのイベントです。
今年度の総会には、近畿大学 建築学部長の岩前 篤教授を招いての基調講演でした。
岩前教授は住宅の温熱環境と健康の因果関係を研究する第一人者です。
内容もわかりやすくあっという間の90分でした。
ですが、もっと話を聞いていたかった、、、
私も10年以上前から、温熱環境を良くすると、健康的な生活を送れますよ、と言い続けてきましたが、
残念なことにその根拠となるものを示すのは難しいものでした。
それを裏付ける研究を続けてこられた岩前教授の講演内容は、まさに宝の山。
一つ一つ頷きながら聞いておりました。
特に面白いなと思ったのは、これからの季節、暑くなってくると出てくるのは熱中症の話題、
盛夏には毎日救急車で運ばれるニュースが流れます。
ただし実際に無くなってる方は想像よりも少なく、28年度で60人ほどだそうです。
室内の寒さが原因でなくなる事例はヒートショックといわれますが、温度差により脳卒中などを引き起こします。
家庭内の事故が原因でなくなる方は年間1万人以上といわれておりますが、一番わかりやすいのは浴室です。
寒い脱衣室、浴室から、急に温かい湯船に入るのですから、血管に悪いのはなんとなく想像できます。
そして家庭内で溺死する方は年間5000人以上と、熱中症の83倍です。
溺死、ですので湯船であることは容易に想像できますし、ほとんどがヒートショックが原因でしょう。
岩前教授は、低温は本当に怖い、と仰っていましたが、データを見ると一目瞭然でした。
私の行ってきた家づくりは、冬も寒くない家です。
新築はもちろん、リフォームでもできるだけ断熱性能を良くする提案をしています。
これからも、もっと理論的にお客様に説明できるようになれば、より快適で安全な住まいがつくれます。
いや、住まいづくりに携わるものとしては、絶対にクリアしなければならない問題のはずです。
そんな決意を強く思った、非常に聴きごたえのある講演でした。
岩前教授、本当にありがとうございました!
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作成者 : 水戸工務店