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立派な大工棟梁になって欲しいと願う

吉田友也くんの「大工修業年期明け終了式」の報告をいたします。
5月17日は朝から快晴で友也の一人の職人としての門出を祝うような上天気でした。
協力業者の皆様には、友也の終了式のためにお忙しいところご出席賜りまことにありがとうございました。
お蔭様で、マリアチャペル柏マリベールにおいて立派な大工終了式を行う事が出来ました。

写真上 友也くん授与

友也は一応の一区切りをつけたわけですが、今までより一層の努力をして、立派な棟梁となって欲しい。
匠といわれる大工の技術は一朝一夕には生まれない。
大工道具の手入れはもちろん、刃物研きは毎日欠かさず続けて欲しい。
飽きも懲りもせず、心臓の鼓動のように続けて、初めて匠の技を習得できるのだ。

一人前の職人は、今日の仕事の反省と、明日の仕事の段取りを必ずその日のうちにやっておくものだ。

大工とは、年期を明けたから突然最高の仕事が出来るわけでない。
この日を境に自分の責任を意識し、覚悟を持って仕事をする事が大事だ。

仕事という言葉は事に仕える (ことにつかえる) と書きます。
この仕事をやらせていただきます。の気持ちで取り組んで欲しい。
こんな仕事はつまらない。この仕事は面倒くさい。こういう仕事がやりたい。など、仕事を選んではいけない。
どんな仕事でもバカにしないで、責任の持てる仕事をする。
立派な大工技術を身につけ、色々な勉強をしてお客様に認められるようになることを願っている。

6年前、友也を私のところに預ける為に連れてきてくれた友也の叔父さんも、今日という日を迎えられて、本当に良かった。途中でやめられたりしたら困る。といつも思っていたそうです。
宴会の席で目頭を熱くしていたのが印象的でした。
友也の母親も、「本当にお世話になりました。今日はとても嬉しい日です。」と目を潤ませているのを見て、私も少しは責任を果たせたかな。とすがすがしい気持ちになりました。

事前に、友也に終了証を出す話をしていた時、当社に親子で大工としてきている増田親子の息子・賀一 (よしかず) くんから「親方、僕も終了証が欲しいです。」と言われました。
私は「お前は私の弟子ではないからダメだ。」と伝えると、「僕は親方の弟子のつもりで、水戸工務店の一員として働いている。」というのです。
少し間をおいて「わかった」と、終了証を出すことにしました。
終了証を渡した後、賀一くんが「一言お礼を言わせてください」と言い、「僕は最初からの親方の弟子ではありませんが、水戸工務店にきて10年になります。私は親方のところに来て良かったです。」と話しながら、泣き出す始末。

写真下 賀一くん授与

参加された皆様も突然の出来事に一様に驚き、また感心していました。

出席してくださった方から、「このような終了式は、初めてですが、とても素晴らしいものですね。楽しい時間を過ごさせていただいてよかったです。」と、おっしゃっていただきました。

今年の4月、国のプロジェクト・大工育成塾より預かっている、大工見習い2ヶ月の鈴木直人くん (18歳) が、この終了式に参列して「すごいです。僕も親方から終了証をもらえるように頑張ります。」と、目を輝かせていました。
私は、「うん、うん。」とうなずきました。
当社の見習い大工の、真美・浩保・直人の三人も私の期待に答えてくれると信じています。

皆様、お忙しいところありがとうございました。