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お雛様を飾る

私の父が娘の (祖父が孫娘の、ってことですね) お雛様を飾っていってくれました。
娘が誕生した時に、父が買ってくれ、そして毎年、自分で飾っていきます。

娘の誕生以前には、やはり父が私のために買った七段飾りのお雛様が実家に保管してありました。
ところが、当時で築35年ほどの古い家でしたので保管状態が悪く、また、飾るのに畳1帖半もの場所が必要な大きさでしたので・・・
近所に、お人形好きの方で、収集して補修しては施設等に寄贈するボランティアをしている方がいましたので、引き取ってもらいました。
その後、カビや虫に喰われて衣装や髪の毛がボロボロになっていたお雛様でしたが、見事綺麗に甦って、老人ホームへ寄贈されました。

そんな訳で、娘に買ってもらう時にはお内裏様とお雛様だけのものにしてもらい、毎年こんな風に飾っています。

我が家の和室はリビングとしての和室なので床の間を造らず、
代わりに出窓を奥行500mm程と奥行広く造ってもらいました。
子供の日の頃には、兜がここに飾られます。
和室が無かったり、あっても本格的和室の床の間付の家が少なくなってきた最近です。
しかしこんな風に、洋風リビングであっても、奥行の広めな出窓を造り季節のものを飾ると楽しいですね。

そして何故、父が早々と私の娘のお雛様を飾るかと言うと・・・
「お嫁に行き遅れたら可哀想だろう。」と。
だからか、仕舞うのも3月3日の翌日すぐに。
お雛様は、飾り忘れても、いつまでも飾り続けても、婚期を逃すそうで・・・
手油が付かないように、白手袋をして厳かに飾っていき、とても丁寧に仕舞ってゆきます。

高気密高断熱の我が家に引っ越してきた1年目、それまでの習慣で沢山の防虫剤をお雛様の箱に入れられてしまったことがありました。
防虫剤の臭いに閉口し、慌てて取り出したという出来事がありました。
もちろん、我が家では洋服や着物、お人形等の保管に、ショウノウやパラゾールのような防虫剤、若しくは除湿剤を使用する必要が全くありません。
結露やカビと無縁の家ですし、どこにも温度差の無い家では、収納品も住まう人と同じく快適に過ごします。
防虫剤は必要ないと父に説明した当初は、父にとって半信半疑で、
『大事な孫娘のお雛様がボロボロにならないだろうか??』と不安に思っていたようですが、
あれから今年で飾り出すのは8回目です。
変わらず美しいお雛様を飾りながら、父は防虫剤の件はすっかり忘れた様子です。

自分のために飾られたお雛様を眺め、テンション上がって喜んでいる娘を見て・・・
父が嬉しそうなのが何よりです。