何のための商売か?
2007 / 01 / 11 水戸工務店ブログ
目次
私達 (当社) は何のために商売 (家造り) をしているのか?
幼友達が去年の10月にお花屋さんを開店しました。
一緒に野原をかけ廻り、毎日泥んこになって遊んだ仲でしたが、成人してからはそれぞれの道を歩んでいました。お互いの近況はお互いの母親を通して聞いていました。
彼女は、都内の大きな駅前の、忙しいお花屋さんで店長として長くお店を切り盛りしてきました。
そしてとうとう念願かなって、自分のお店を持ちました。
今度は地元の駅から徒歩1~2分程にある小さなお花屋さんです。
「お客様に新鮮なお花を持って帰って欲しい。」というのが彼女の願いです。
花が大好きな私の母は、開店以来何かにつけて彼女のお店のお花を利用しています。
プレゼント用はもちろん、仏壇に供える花や庭に植えたい花・・・
いつでも活きの良い花を出してくれるので、彼女のお花屋さん一筋になりました。
しかし、新年早々義姉の父が入院したのでお見舞いの花を頼んだときのことです。
彼女:「ごめんなさい。新年はまだ、市場に仕入れに行っていないんです。新しいお花が無くて・・」
私の母:「じゃあ今回は急いでいるから、他のお店に浮気するわね。」
彼女:「はい。また、活き活きした物を仕入れましたら、お願いします。」
もちろん、生活 (お金) のための商売 (お花屋さん) ではあります。
しかし、「お客様に新鮮なお花を持って帰って欲しい。」という気持ちは譲れないのです。
それは、彼女にとって「花」がとても意味有るもので、愛するもので、そんな「花」を通して人々とかかわる仕事を彼女が好きだから譲れないのでしょう。
そして、彼女の気持ちに惹かれる人々がお店にやってきたり、アレンジメントの仕事を頼むので、赤字覚悟で始めたお店がそんなでもないようです。
「お客様に生涯喜んで住み続けていただける家に住んで欲しい。」というのが私達の願いです。
しかしもちろん、生活 (お金) のための商売 (工務店) でもあります。
正直なところ、私はよくコスト管理と「お客様に生涯喜んで住み続けていただける家に住んで欲しい。」という気持ちとの間で、家造りをお手伝いしている間に色々なジレンマに遭遇します。
お見積りの段階からすでに、
利益を削りすぎて赤字になってはならない。今まで建てたお客様のためにも、これから建てるお客様のためにも、一棟も赤字を出してはいけないと言われている。でもお客様のご希望を叶えた上でなるべく低い建築高を出したい・・・
建築中の段階では、
過ぎた段階についてのやり直しはコストが掛かるが、お客様が変更を希望している。大工に施工直しを指示するか?・・・
そんな時、最終的には自分の気持ちを、
「お客様に生涯喜んで住み続けていただける家に住んで欲しい。」と言う気持ちにリセットして決断するようにしてきました。そして最近は、前述のお花屋さんの彼女を思い出すようにもなりました。
私にとって「いい家」がとても意味有るもので、愛するもので、そんな「いい家」を通して人々とかかわる仕事が好きだから譲れない。
私達 (当社) はお客様のために商売 (家造り) をしています!というのがイイ。
でも、世の中でこのように考えて商売できている方々はどれくらいいるかしらん?
作成者 : 水戸工務店