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築後150年の古民家でどうすれば良いか。

先月中旬頃、古民家再生協会より依頼があり、房総 (千葉県大網白里町) に行って古民家を見て来ました。

幕末から明治の初めにかけて造られた大きな庄屋さんの家でした。


巾12尺の玄関

深いひさしの軒下には大きなスズメバチの巣がありました。

電気の配線も、今はビニール線を使っていますが、昔のセトモノの碍子 (ガイシ) を使ってプラスとマイナスの線を一本ずつ伸ばして配線してあり、今ではなかなか見られない珍しいものでした。

床の間には、火縄銃や日本刀が飾ってあり、奥の和室には鎧兜が飾ってありました。

大黒柱である極太のケヤキは1尺2寸角で堂々たる太さです。

平屋建てで60坪、元々のかや葺き屋根の全体をトタンで覆い、かや葺き屋根の傷みがひどくならないように施工してあったのですが、棟から雨が漏り、下のかやが傷みはじめていました。
屋根全体を直す事になれば、かなりの金額がかかると予想されるので、今回はかや葺き屋根の棟部分だけを造り替える事を提案して来ました。

小屋裏に雨がっぱを着てあがると、150年間のほこりが5~6cm積もって真っ黒でした。


見事な梁算段

150年も前に造られた古民家と呼ばれる建物を実際に見て、これが日本の住宅の原点だと思いました。

当水戸工務店で修行している若手大工や熟練の大工さん達にも大いに勉強になり、伝統工法を次世代に残す育成や日本の住文化の継承にもつながる事になります。
私もまだまだ勉強しなければと感じました。